英語と仏語が堪能になった
スイスの多言語留学

 

Aさんは、小学校卒業後に留学を開始し、コレージュ・ボー・ソレイユ校を卒業。その後、スイスのホテル学校(グリオン大学)へ進学され、2023年7月の卒業までスイスで過ごされました。今日は、成人されたAさんと親御様にインタビューをさせていただきました。

 
 

Aさんのご家族は、長年イギリスでの親子留学を体験されており、お母様が学校と直接連絡を取られ、中学生からの留学を実現されました。スイス留学中に弊社へ現地サポートのご依頼をいただいたことをきっかけに、Aさんご家族との交流が始まりました。
 
Aさんには、上に2人のごきょうだいがいらっしゃいますが、Aさんのみが海外で正規留学をされました。現在Aさんは日本に帰国し、外資系企業で勤務しながら、マルチリンガルとして活躍し、充実した日々を過ごされています。

スイス寄宿学校ボーソレイユ校の応接室にて日本人親子の姿

 

2013年夏休み 学校見学のため渡瑞
2014年4月 小学校を卒業後、スイスでホームステイをしながら
フランス語学習を開始した後、コレージュ・シャンピテ校入学
2017年1月 コレージュ・ボー・ソレイユ校へ編入
2019年6月 コレージュ・ボー・ソレイユ校を卒業
2019年9月 グリオン大学へ進学
2023年7月 グリオン大学を卒業

スタッフ

スイス留学を知ったきっかけは何でしたか。なぜ、お子さんにスイス留学をさせようと思われたのですか?

お母様

私は若い頃に留学したかったのですが、実現できませんでした。その経験から、子どもができた後はイギリスへ親子留学に毎年行っていました。また、日本でも子どもを幼少期から英会話教室に通わせ、英語への興味とイギリスへの関心を持ち続けるようにしました。
 
娘には6歳年上の兄と3歳年上の姉がいますが、彼らの受験の大変さを間近で見た経験から、日本の教育システムに疑問を抱くようになりました。また、娘自身は元々チャレンジ精神が旺盛で、1人でサバイバルキャンプに参加するような経験もしていたことから、日本だけでなく世界に目を向けるようになりました。小学6年生の夏には留学に向けて、イギリスとスイスの学校を視察見学しました。これらの学校については、事前にインターネットで様々な調査を行いました。
 
元々は、知人が多いイギリスに留学させる予定でしたが、スケジュールの都合上、スイスの学校を先に見学することになりました。
スイスの学校ではフランス語がしっかり学べ、英語も必須とされる環境だったため、多言語を習得するには非常に適していると感じました。実際、留学後にフランス語でコミュニケーションが取れるようになったことが、大きな利点となりました。また、スイスは自然が豊かで国際機関も多く、日本と共通する長寿などの特徴もあるという理由から、イギリスの学校を見学せずに、スイスで見学した3校目のジャンピテ校に留学先を決定しました。寮には日本人がおらず、寮長の印象が良かったこと、そして何よりも娘自身がその学校を強く望んだことが決め手となりました。

スタッフ

留学開始前に感じていた不安はありましたか?

お母様

留学前にはスイスの学校を訪問し、寮の先生や学校の先生ともメールでやり取りをしていました。そのため、大きな不安は感じませんでした。何か心配事があれば、私自身がスイスに行き、その場で解決していました。

スタッフ

親御様が学校とのやり取りがおできになり、必要に応じてスイスにお越しになれる環境だったのは素晴らしいですね。
 
Aさんの留学について、ご家族(祖父母など)やご友人などからの意見はどうでしたか?反対などはありませんでしたか?

お母様

病気や事故の心配はありましたが、留学のきっかけは私が作ったものの、最終的には娘自身が留学を決めたので、家族からの反対はありませんでした。ただ、姉とは以前からよく喧嘩をしていたのに、留学が始まると、姉だけが泣いて寂しがっていました。今でも二人はとても仲が良いです。

スタッフ

留学開始前と開始後で親御様がお子様に対して、成長したなと感じられた点があれば教えてください。

お母様

スイスから帰国するたびに娘の成長を感じました。語学力はもちろん、日本では経験できない様々なことを学び、自分の意見をしっかりと述べることができるようになりました。例えば、同室のイラン人やロシア人の考え方や生活習慣を理解できていた点などが挙げられます。

スタッフ

親御様から見て、在籍されていた学校の良い点、改善してもらいたい点はありましたか?(シャンピテ校、ボー・ソレイユ校両方)

お母様

シャンピテ校の良い点:

寮での学習環境が整っており、フランス語教育に非常に熱心である点が素晴らしかったです。その結果、3年間でフランス語が得意になりました。
 

改善点:

寮の規模が非常に小さく、大半が通学生で構成されているため、寮生活は非常に限られた小さなコミュニティ内で行われます。。そのため、一度居心地の悪さを感じると、そこに留まるのが難しいと感じてしまう環境でした。また、日本語の授業が提供されていなかったため、日本語の勉強を続けたい娘にとっては、転校を検討する理由となりました。
 

ボー・ソレイユ校の良い点:

ほとんどの生徒が寮生活をしているため、様々な国からの子どもたちとの交流が可能です。また、日本人教師による日本語の授業や国際バカロレア(IB)の準備も行われています。さらに、、同校から入学許可が出る前に、バスケットボール部のキャプテンとして、娘に海外遠征の許可が出たのには驚きました。スポーツ活動も学校のカリキュラムにしっかりと組み込まれています。
 

改善点:

問題点としてはほとんどありませんが、バスケットボールの遠征費用が別途必要でした。シャンピテ校では遠征費用が学費に含まれていました。

スタッフ

最後に、スイス留学を100点満点で評価すると?

お母様

100点満点中の150点です!夫もこの点に同意見です。娘はスイスで9年間を過ごし、学校を転校したり、骨折するといった困難も経験しましたが、今振り返ってみて、そのすべてが彼女の成長に大きく寄与しました。娘は自分の意見をしっかりと言える人間に成長し、私たち親としても非常に満足しています。確かに教育には多大な費用がかかりましたが、私たち夫婦は「子供たちにお金は残さないが、子供にかける教育資金は惜しまない」という方針で、その投資には本当に価値があったと信じています。

 

スイス寄宿学校ボーソレイユ校から見える雪山の景色と日本生徒のお母様
雪が積もったスイス寄宿学校ボーソレイユ校の校舎

 
  

スタッフ

ありがとうございます。Aさんが大きく成長され、スイス留学が期待以上によかったとのこと、本当に良かったです!
 
ここからは、Aさんにお話を伺います。
 
イギリスとスイスの学校を検討されていたとのことですが、スイスを選ばれた理由は何でしたか?

Aさん

イギリスでの留学も検討していましたが、スイスの方が安全だと感じ、またフランス語を習得したかったので、最終的にスイスを選びました。イギリスでもフランス語を学ぶことは可能ですが、スイスでフランス語の環境に身を置くことはフランス語習得にはより効果的だと思ったからです。

スタッフ

日本で通われていた学校と比較し、スイスのボーディングスクールでは、環境もかなり違いますが、最初どんな点に驚きがありましたか?

Aさん

ボー・ソレイユ校では、生徒の希望を叶えるためにスタッフが積極的に動いてくれる点が特徴的でした。また、チューター*との相性が合わない場合には変更の申請が可能です。さらに、教師と共に様々なアクティビティに参加する機会も多く、施設も非常に充実しています。
 
*ボー・ソレイユ校のチューターは、各生徒の一番近い存在としてサポートするメンター教師です。

スタッフ

ホームシックにはなりませんでしたか?

Aさん

スイス留学中、日本語を話す機会がほとんどなかったため、日本時間の朝4時に母とLINEで電話をすることもありました。「日本に帰りたい」というホームシックにはなりませんでしたが、「日本食が食べたい」と思うことはありました。

スタッフ

留学開始時のご自身の英語とフランス語のレベルはいかがでしたか?

Aさん

入学時点では、充分な英語もフランス語もできませんでした。

スタッフ

その後、語学力が大学に入学できるレベルにまで到達されていますが、言語習得においてどのような部分が一番苦労されましたか?

Aさん

自分でも驚くほどの吸収力でどんどんと語学力が向上したので、正直なところ、あまり苦労を実感しませんでした。11、12歳の時は、空気を吸うように英語を習得していました。

スタッフ

大人からすると羨ましい限りですね。
 

シャンピテ校について■

 
どのような理由で学校を選択されましたか?

Aさん

最初は、セント・ジョージズ・インターナショナルスクール校⇗エイグロン・カレッジ校⇗も検討していましたが、最終的に日本人が少なく、かつフランス語が学習できるという点でシャンピテ校を選びました。入学前にフランス語の勉強をしていましたが、主要教科がフランス語の科目もあったため、フランス語での授業が少し苦痛に感じることもありました。

スタッフ

シャンピテ校の良かった点を教えてください。

Aさん

勉強に対してはしっかりとした環境が整っており、一定の点数を取れば早く帰れるなど、生徒間の競争を促す仕組みがあります。これは競争心の強い人には特に適しています。また、バスケットボール部では遠征費が学費に含まれており、様々な国への遠征が可能でした。

スタッフ

シャンピテ校への入学希望者へアドバイスはありますか?

Aさん

とにかく、フランス語力はよく伸びたので、フランス語をしっかり習得したい方には向いていると思います。また、高学年になると違うと思いますが、厳しいルールが多かったです。また、ボー・ソレイユ校に比べ、そこまでスポーツに力をいれていないため、スポーツに励みたい生徒には向いていないかもしれません。

スタッフ

転校をした理由を差し支えない範囲で教えてください。

Aさん

日本語をしっかり学びつつ、IBディプロマを取得したかったからです。

スタッフ

転校後もシャンピテ校時代の級友と連絡を取っていますか?

Aさん

はい、今でも繋がりはあります。

スタッフ

ボー・ソレイユ校について■

 
学校を選択した理由は?

Aさん

将来的に日本で働くことを望んでいたので、日本語を言語AのHL(ハイレベル)で教えてもらえるIBディプロマプログラムがしっかりしているボー・ソレイユ校を選びました。また、クラスの生徒数が少なく、先生一人につき生徒が5人ほどの少人数制が保たれていたため、スタディータイムも充実していました。同学年に日本人がおらず、日本語の授業が個別レッスン状態で行われたので、思いがけずしっかりと学べた点もラッキーでした。

スタッフ

ボー・ソレイユ校の良かった点を教えてください。

Aさん

ボー・ソレイユ校は、学力が高い生徒だけでなく、生徒のやる気を重視する環境があります。夕食については外部からの持ち込みが許可されており、学食に飽きた時にはとても便利でした。また、学校内で日本人だけで固まることがなく、様々な国籍のルームメイトと過ごすことができ、ルームメイトの希望を出すこともできました。日常生活で交流がなかったであろう超富裕層の友人ができたり、日本では経験できないことが多く、世界中から来た生徒たちと交流する中で多くの言語に触れることができました。

スタッフ

ボー・ソレイユ校の英語学習サポートは十分でしたか?また、IBにチャレンジされましたが、IBを選択された理由をおしえてください。

Aさん

ボー・ソレイユ校では、英語だけでなく、すべての面で充分なサポートが提供されました。IBプログラムを選んだのは、帰国子女枠を利用して日本の大学への進学や世界中の他国の大学への進学の機会が得られるからです。私はスポーツにも力を入れていたため、IBの取得にはかなり努力が必要でした。最終的にIBを取得することができましたが、実のところ、大学への進学やその後の就職や転職でIBが有利に働いたとは感じていません。

スタッフ

どのような生徒がボー・ソレイユ校に合っていると思いますか?(例:スポーツ好き、自己管理がしっかりできる等、例を教えてください)

Aさん

生徒に強制をしないため、自立した生徒に向いています。また、冬学期は、午前中と週末にスキーをするため、体力が必要です。

スタッフ

ボー・ソレイユ校に入学する生徒に事前に伝えておくべきことやアドバイスはありますか?

Aさん

どの学校においても起こり得ることですが、例えば、アジア人差別に直面した場合、それに対処できる精神的な強さが必要です。差別を受けたり不快な思いをした場合には、まず先生や学校スタッフに報告することが重要です。私が経験したことでは、「JAP」と呼ばれたことや、アジア人を見下すような発言を受けることがありました。

スタッフ

スポーツや音楽などクラブ活動には参加されましたか?よろしければ、内容を教えてください。

Aさん

スポーツは、バスケットボール部のキャプテンを務め、バレーボールとサッカーの単発要員として参加しました。音楽はやっていません。

スタッフ

またスイスに戻りたいと思う気持ちはありますか?

Aさん

はい。将来的には、自分の子供にもスイス留学をさせたいと思っています。

スタッフ

学年の違う卒業生も含め、卒業生同士の交流はありますか?

Aさん

数人は、同じ大学へ進学しました。ボー・ソレイユ校のサーバーがあり、毎週オンラインでゲームをしています。近日中に、アメリカへ出張するのですが、有休を取りアメリカ在住の友人に会いに行く予定です。

スタッフ

ボー・ソレイユ卒業後の進路として、スイスのホテル学校(グリオン大学)を選択されましたが、進路を決める際には、学校のサポートがありましたか?

Aさん

学校の進学カウンセラーがいるので、そちらに相談しました。

スタッフ

日本の学校とどのような点が違うと感じましたか?

Aさん

スイスでは、授業中も生徒から発言することができたり、授業の後に居残りをして、質問をしたりすることができます。

スタッフ

思春期を寮生活で過ごされることは難しい面もあったと思いますが、苦労された点はありますか?

Aさん

寮のスタッフに対して、反抗していた時期がありました。

スタッフ

ボー・ソレイユ校の学習面での難易度はどうお感じになりましたか?

Aさん

中学の数学は既に日本で学習した範囲でしたが、高校で随分と難しくなりました。特に、物理は難しかったです。

 

スイス留学.com代表田山とスイス寄宿学校ボーソレイユ校に留学されていた日本人生徒
スイス寄宿学校ボーソレイユ校の寮のお部屋とそこから見える美しい景色

 
  

スタッフ

■グリオン大学(スイスの私立大学)進学について■

 
グリオン大学を進学先として選択された理由は何でしょうか?

Aさん

本当は積極的に大学に進学する希望はなかったのですが、グリオン大学で学士を取得して卒業すると何でもできそうだと思い、選択しました。ファイナンスやラグジュアリー、イベント企画などの専攻があります。同校では様々な国の学生との交流があり、もう一度、入学したいと思うほど良い学校です。
 
当時、日本の高校を卒業し、初めての留学でグリオン大学に入学していた日本人が3人いました。グリオン大学では、ボー・ソレイユ校とはまた違った社会階層の学生と交流できる点も良かったです。

スタッフ

卒業後もスイスに滞在することは考えましたか?

Aさん

日本での就職を希望していたため、スイスに残る考えはありませんでした。

スタッフ

グリオン大学は、どのような方にお勧めの学校ですか?

Aさん

ローザンヌのホテル学校、エコール・オテリエール・ド・ローザンヌ(EHL)よりグリオンの方がこぢんまりしていて、アットホームです。グリオン大学では、イベント企画コースもあり、同校の生徒が、モントルージャズフェスティバルのバックステージを担当するなど、実務経験を積めます。何ごとにも挑戦できる環境を好む方にはお勧めです。

スタッフ

スイス留学を100点満点で評価すると?

Aさん

200点!日本にいたら、絶対に想像もつかないような貴重な経験ができました。

スタッフ

これからスイス留学をお考えの方に一言お願いします。

Aさん

スイス留学は、何事にも興味があり、負けず嫌いで、新しいことを体験したい、好奇心旺盛な方に向いていると思います。「迷ったら行ってみて!」と伝えたいです。

スタッフ

お母様、そしてAさん、貴重な体験談をお聞かせいただき、本当にありがとうございました。9年間のスイス留学で得られた知識や経験は、何ものにも代え難い貴重なものであり、Aさんの成長に大きく寄与したことがよくわかりました。
 
Aさんがスイスで過ごされた多文化での共生、国を超えた交流、フランス語や英語を自在に操るマルチリンガルとしての能力は、これからの国際社会においては、大きなアドバンテージとなるはずです。
 
また、お母様を始めご両親様が示された留学に対する熱意とサポートがあったからこそ、Aさんはこのような素晴らしい成長を遂げられたのだと感じました。ご家族の絆とサポートが、留学生活を充実させる大きな要素であることを改めて実感しました。
 
最近では、日本でもグローバル人材の重要性や多様性の尊重がますます認識されるようになっています。Aさんのような帰国子女が、これからの日本社会をさらに活性化し、国際的な視野を広げるリーダーとして活躍されることを期待しています。スイス留学で得た経験を糧に、ますます飛躍されることをお祈りしています。

最後に、ご家族でスイス留学を実現された場合でも、日本語での対応を希望される場合や、スイスにお越しになるのが難しい場合には、弊社にぜひご相談くださいませ。ご提供できるサポートを提案させていただきます。

 
 

※本インタビュー記事及び写真の掲載は、ご家族のご承諾を得ております。

Photo Gallery寄宿学校フォトギャラリー